炭化コルクとは

コルク樫は、世界の中でも地中海沿岸のポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、モロッコ、アルジェリア、チュニジアの7か国にだけ群生しており、その中で最もコルク樫の森の面積が多いのがポルトガルです。

ポルトガルのコルク樫の森林の面積は世界の約30%で、生産シェアは世界の約50%になります。コルク樫群生MAP

ポルトガルのコルク樫の森林では、年間約480万トンのCO₂を吸収しており、日本の年間CO₂排出量の約4%に相当し、世界で年間1,600万トンのCO2を吸収するそうです。

全世界のCO₂排出の80%は企業が原因とされ、下記円グラフの通り、日本では11.4億t、世界では335億tも排出へのており、現在の世界共有の問題となっています。日本のCO2排出量グラフ

参考までに、
CO2の吸収量・閉じ込め量の比較を『コルク樫』と『杉』でしてみました。

コルク樫群生写真コルク樫は、1ヘクタール(100m四方)あたり年間: 6.3トンのCO₂を吸収し、炭素トンへ変換すると 約 1.7トンとなりました。

杉写真杉は、1ヘクタール(100m四方)あたり年間 約 8.8トンのCO₂を吸収し、炭素トンへ変換すると 約 2.4トンとなりました。
比較をすると、杉の方がCO₂、炭素トン共に優れています。

コルク伐採サイクルですが、コルク樫は樹皮のみ使用されることが一般的なので、上記のイメージ図の通り初回の採取が植林から20年後で換算し、9年でのサイクルを20回採取できたとすると、200年CO₂削減に貢献できます。
長野県が出している樹種別林齢別のCO₂吸収量を下記グラフの通り見てみると、木自体を伐採することはなく、樹皮のみ剥いで使用するので、コルク樫の通常時と比較しても3~5倍のCO₂吸収量となり、樹種の中では一番CO₂吸収量が高いことがわかります。
しかも、杉の伐採適齢期は、40年後のため、総合的な貢献度合いも圧倒的な数値の開きとなることがわかります。(出典)長野県地域森林計画主要樹種林分材積表に基づく試算参考サイト:https://www.rinya.maff.go.jp/kinki/hyogo/mori-grow/mori-co2.html

 

炭化コルクのできるまで

【写真】コルク樹皮剥ぎ【写真】コルクぼろぼろコルク樫の樹皮を剥ぎ取った使えないバージンコルクや一度ワインなどの栓で使った2次、3次利用のコルクを集め、それをボロボロにします。【写真】コルク窯それを成形窯に入れ、蒸し焼きにし、コルクの樹脂成分だけでブロック状にしていきます。

それを適正な幅にスライスし、保管庫に保存され、ポルトガルから日本へ出荷されます。【写真】コルク出荷準備【写真】コルク出荷建築現場では、主に漆喰の下地兼断熱材として外壁に使用されます。まさに炭で覆い囲われた家になります。【断熱材】炭化コルク

 

炭化コルクの特徴

透湿しやすい素材なので、断熱材に使用することによって、壁体内に湿気が籠りにくくなります。

また、外壁仕上げの漆喰の下地材としての役割も果たしているので、外壁の漆喰との相性も抜群です。
外壁のほかにも屋根や内壁の断熱材や、防音材、吸音材に使用したりします。

炭に包まれた家

無添加住宅では、炭化コルクを主に家の外壁を囲むように張るので、まさに『炭に囲まれた家』になります。
炭化コルクは浸透しやすい素材なので、断熱材に使用することによって壁体内に湿気がこもりにくくなります。
また、外壁仕上げ材の漆喰の下地材としての役割も果たしているので、外壁の漆喰との相性も抜群です。外壁のほかにも、屋根や内壁の断熱材に用いることもあります。

調質・消臭性能

炭化コルクの断面を見てみると、5角形、6角形の細胞がハニカム構造になっており、それをさらに炭化することで、気泡部分が開き、湿気を吸ったり吐いたりする性質を持つようになります。
乾燥した冬やジメジメした夏は、炭化コルクの性能で湿気をコントロールしてくれます。また、炭と同様に炭化コルクには、目に見えないミクロの穴が無数に空いているので、消臭効果もあります。

断熱性能

1cm³あたり4000万個の空気を内包した微細な細胞から構成されている炭化コルクは、優れた断熱性能をもっております。その性能値は、0.038W/m・kとなります。また、炭化させる前のコルクは、スペースシャトルのエンジンノズルの断熱材としても使用されていました。

防音性能

炭化コルクは優れた防音性と吸音性があります(1,000~2,000ヘルツの音を吸音)。また衝撃吸音性により音の振動を遮ります。これにより従来の高断熱・高気密住宅の「音が響く」という弱点を解消します。

防虫性能・耐腐食性能

コルク樫の木には、スベリンという蝋質の物質があり、虫やダニを寄せ付けにくくしています。
また炭化させることによって栄養分がなくなり長期的に腐らずその形状と弾力性を保ちます。

炭化コルク:外壁断熱のイメージ

外壁断熱材仕様のイメージ

断熱材料の熱定数(熱伝導率・容積比率)

炭化コルクをはじめ、他の断熱材との性能比較を行ってみたところ、下記の通りとなった。断熱性能表組住宅の代表的な断熱材を見てみると、熱伝導率は他の断熱率を遜色なく、容積比率は276kj/m³・Kと他の断熱材よりも大きな性能の差を示している。つまり、冬は他の断熱材と同程度の性能を持ちつつ、夏場は外部からの影響を受けづらく、涼しくした室内は熱くなりづらいということが分かった。

熱移動の原則は、温度は高い方から低い方へ移動する。熱移動の法則□ 夏は太陽を外壁が吸収し、室温が低い室内へ熱が移動

□ 冬は温まった室内の温度が寒い外へ移動

以上、炭化コルクについて色々と特徴を記載いたしました通り、環境に配慮したエコロジーなスーパー断熱材にもかかわらず、性能値も非常に高いことがわかりました。

当社は、この環境に配慮した炭化コルクを標準で採用しています。しかもこの断熱材のほかにも内断熱として『パーフェクトバリア』という断熱材も標準採用しているため、最高レベルでの室内空気環境で生活できることに加え、ランニングコストへの経済的負担も少ないので、ご興味をお持ちの方は、下記URLよりお問い合わせください。

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この記事を書いた人

株式会社ビリーフハウス 広報 花島