みなさま、今年も本日で終わりとなりますが、新年のご準備はもうお済でしょうか?
長年蓄積した外壁の汚れは、来訪者からは非常に気付かれやすいですが、住んでいる方からするとなかなか気付きづらいものですよね。
その中で、漆喰を外壁に採用されている方は、庇や軒が少ない家ですと汚れが付きやすくなってしまったり、日陰や湿気が多い面ではカビが発生したりと汚れ落としに頭を悩ませておられるのではないでしょうか?
本日は、そんな外壁漆喰の汚れ落としと、そのメンテナンス方法を中心についてご紹介させていただきます。
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【目次】
1)外壁漆喰の種類
2)外壁漆喰の特徴
(1)メリット
(2)デメリット
3)外壁の汚れの種類
4)外壁漆喰の汚れ落としの方法
5)外壁の汚れをつきにくくする方法
6)まとめ
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1)外壁漆喰の種類
外壁の種類自体は非常にたくさんの種類がありますが、その外断熱の場合の施工の方法は大きく分けて乾式と湿式の2つに大別されます。
(1)乾式工法:
外張り断熱材の上に胴縁という木の下地を取り付け、その上に工場で作られた窯業系サイディングや金属系サイディング、ALC(autoclaved light weight concrete)パネルなどを設置する工法です。分譲住宅やローコスト注文住宅などにはコスト面や施工性が良いため採用率が高いのが特徴です。しかしながら、家の形状が複雑なものへの施工が難しく、デザイン的な制約を受ける場合もあるのが難点です。
(2)湿式工法:
木造の場合の湿式工法は、躯体に断熱材を釘や専用ビス等で取り付け、その上にモルタルを塗り、最後に仕上げの漆喰等を左官職人により施工していきます。漆喰が仕上材の場合は、色にも左右されますが、反射率が非常に高いため夏場の太陽の熱を帯びづらく、40℃前後くらいまでしか外壁温度が上がらないのが大きな特徴です。
モルタルや漆喰などを使用する為職人の施工手間はかかりますが、様々な質感や高級感のある雰囲気が楽しめます。複雑や家形状にも対応が可能で、施工の仕上がり(=テクスチャー)も職人の熟練技術で大きく変わることでしょう。地域や施工時期によっては施工が難しくなったり、乾燥期間が必要となるため、工期を長めに取ることも必要です。
漆喰においては、原料が石灰石のため、自身の力で二酸化炭素と化学反応を起こして固まっていくため、接着剤を使用する必要がなくどの壁材よりも長持ちします。しかし汚れやカビ発生の対策が必要となりますので、予め理解しておくことも必要です。
2)外壁漆喰の特徴
漆喰を外壁に施工する場合には、当然のことですがメリットとデメリットがあります。
(1)メリット:
①職人による施工が基本となり機械的な施工ではないため、複雑な家形状でも施工が可能となり、塗り方により同じ家形状でも雰囲気がガラッと変わります。
②外壁の漆喰の反射率が鏡と同等のため、夏場の熱を外壁に帯びづらくさせます。そのため、室内空間が涼しくなり、エアコン等の省エネ効果も高まります。
※参考サイト:https://www.mutenkahouse.co.jp/products/plaster
③素材が石灰石のため、接着剤等を必要とせず長持ちします。
④漆喰は火にも強く燃えません。不慮の火事にも比較的安心できます。
⑤時代に左右されない質感と雰囲気があり、飽きの来ない外観が評価され、近年に非常に人気が高まっています。世界遺産の建物ではほとんどこの漆喰が使用されています。
(2)デメリット:
①庇や軒が少ない場合は埃汚れや水垢、カビがつきやすいです。※汚れ落とし方法や防汚対策は後述します。
②職人による施工のため、施工期間と費用が掛かります。
3)漆喰外壁の汚れの種類
(1)ほこり、粉塵
漆喰は、静電気を帯びないため汚れを引き寄せることはありませんが、大気中に舞っている埃や粉塵等が外壁の凹凸に乗るケースがあります。このような汚れは水洗浄を行えば汚れは落ちますが、長年積み重なると付着した汚れが落ちづらくなります。
(2)虫の糞
漆喰は無機質で有害な化学物質を排出しないため、虫に取っても安全です。そのため、虫が好んで壁にくっついていることもあります。その際に糞をしたりすると汚れになって付着することがあります。上記同様水洗浄すると汚れは落ちます。
(3)カビ
定常的に水が流れる場所:桟から垂れる水や近隣に田んぼや植栽がある場合は、湿度が高いためカビが発生しやすく、その汚れが付着することがあります。
カビ発生には、4つの要素が重なると発生リスクが高まります。①栄養分、②水分、③酸素、④カビ菌です。外壁には、常に①栄養分、③酸素、④カビ菌がいるため、②水分でコントロールするしか他なりません。つまり、水分を取り除くには乾燥させることが重要ということです。※カビ発生を防ぐやり方は後述します。
4)外壁漆喰の汚れ落としの方法
(1)外壁漆喰の汚れ落とし方法(汚れがひどくない場合)
①壁面に『どとかべクリーナー(無添加住宅販売)』をローラーで塗布する
②数分するとカビ汚れ部分が茶色く変色してくるので、その後高圧洗浄機で洗い流す
(2)外壁漆喰の汚れ落とし方法(汚れがひどく完全に白くしたい場合)
① (1)①②と同じ工程で対応
②水割合の多い無添加住宅『補修用漆喰』をローラーで塗布する前に、日創工業(株)社の『カチオンホワイトフィラー』をローラーで塗布する。
③『カチオンホワイトフィラー』が乾いたら、無添加住宅社製『補修用漆喰』を塗布する。
5)外壁の汚れをつきにくくする方法
①前項4)の(1)(2)ともに、汚れを落とした後に完全に水分をなくします。
※この時に水分がしっかりと抜けていないと防汚剤である無添加住宅社製『そとかべクリーナー』が浸透せず効果が弱くなってしまうため要注意です。
②『そとかべクリーナー』が付着しないように養生を行います。
※特に、ガラス面や犬走り等、水弾きをさせたくない箇所にはしっかりと養生を行ってください。
③壁面がしっかりと乾いていることを確認したのちに、『そとかべクリーナー』をローラーで塗布します。
※このそとかべクリーナーが染み込まなくなった状態が浸透飽和状態です。染み込みが少ないと防汚期間が少なくなります。
6)まとめ
漆喰外壁は、汚れも付着しますが、独特の質感とオリジナリティが魅力なことに加え、長持ちしつつ省エネにも大きく貢献します。劣化ではないのですが、汚れの付着対策が必要となります。それを行っておけば、雨が汚れを定常的に洗い流し、水汚れや粉塵等で汚れる心配もなくなります。外壁面は非常に大きいため、理想を言えば新築時に行っておくと良いですが、メンテナンス時に行うことで15年くらいは汚れが付きづらくなるので、ご興味のある方は、お問合せください。
この記事を書いた人
株式会社ビリーフハウス
広報 花島