皆様、最近昼と夜とで寒暖差がきつくなり、体調はいかがでしょうか?
これからの季節、暖房をつけることも多くなってくると思いますので、本日も室内の快適性についてお話したいと思います。
[目次]
1)住宅のトレンド
2)その影響
3)その影響
4)その対策
5)今現在の状況は?
6)救世主登場!
1)住宅のトレンド
昨今の住宅のトレンドは、気密・断熱性能の高い家づくりが主流になってきています。
これは、様々な要因がありますが、その一つに国が省エネを推進していることが挙がります。
この背景には、日本の住宅性能が他国に比べて非常に劣っている理由のひとつに、国による制度面の強化の遅れがあったからなんです。そして、その遅れを挽回するべく、2025年までに現行の省エネ基準への適合が義務化されることになりました。
そのため、今後はそれ以外にも様々な国の制度変更により現状の性能水準から急に変わる可能性が高くなることは言うまでもありません。
気密・断熱性能を高めるということは、夏は涼しく、冬は暖かという室内快適性が高くなるということですよね。
非常に快適になるのですが、本当にそうでしょうか?落とし穴はないのでしょうか?
2)気密・断熱性能強化の落とし穴
温度環境は非常に快適になるのですが、空気質はいかがでしょうか?
人間がいればもちろん二酸化炭素:CO₂が増えることでしょう。更には室内にある建材及び家具等に接着剤などの石油由来製品が置いてあればトルエンやキシレンといった化学物質:VOCの揮発もあることでしょう。これを取り除き、快適な環境にするのには換気を行うほかありません。そのため、国は2時間に1回の換気を機械で行うよう制度化しています。これが24時間換気システムなのです。
みなさん、何かにお気づきでしょうか?
そうです、そうなんです。温度環境の快適性を高めれば高めるほど空気の質が低下するので、その換気を行う必要があるということなんですね。これを怠るとどうなるのでしょうか?
3)その影響
実は2000年前の1990年代はこの事象が影響を及ぼし、シックハウス症候群が頻発したんです。
シックハウス症候群とは、家の中にいると建材や家具等の影響で体調不良を起こすというものです。
具体的には目がチカチカしたり、くしゃみが出たり、頭がズキズキしたり、めまいがしたりと原因不明の症状が出るものなんですね。
当時は、これが住宅内部の建材や家具の影響ということに気づかず、病院に行っても医者がこの状態がなんで起こるのかもわからなかったんです。
そのため、家族や身近の方達からも理解してもらえず、非常に苦しんだ時期でした。
国民センターや保健所にはこの類の内容の相談件数が非常に増え、非常に話題になり、2003年7月1日にようやく国が建築基準法の改正で24時間換気システムの設置の義務化やホルムアルデヒド等の指針値の設定や建材施工のガイドラインを決めたりしたのです。
しかしながら、規制したのは化学物質では2種のみで、①ホルムアルデヒドと②クロルピリホスだけでした。
【参考サイト】わたしは消費者
https://onl.bz/P2EXJKP
それ以外では、他11種が指針値を設定しましたが、罰則規定まで設けることができませんでした。
しかも、この状況は建材や家具だけではなく、日用品や化粧品なども影響を及ぼすため、すべてが建材が悪者というわけではないため、シックハウス症候群の方々には非常につらいものとなっていました。しかしながら制度改革の甲斐あって少しづつ相談件数も減少していきました。
4)その対策
シックハウス症候群への対策としては、
建材メーカーには、ホルムアルデヒドの使用制限(F☆☆☆☆)を設け、人体への負荷を下げることに繋がりました。
施工会社には、24時間換気システムの設置を義務化したので、室内の空気環境が強制的に換気されたことにより大きく改善しました。
これによりシックハウス症候群の相談件数も減少し、ある程度の効果があったと思われていました。
5)今現在の状況は?
シックハウス症候群の調査を千葉大予防医学センターが行ったようです。
その発表では、5000人の試験が取れたようですが、リフォームに住んでいる方々を含め約3割の方々がシックハウス症候群の可能性があるとの事です。
その背景には、2018年にさらに気密・断熱の向上を国が求めたことにより、今現在もシックハウス症候群の方が増え続けているようです。
【参考サイト】時事メディカル
https://medical.jiji.com/topics/2399
6)救世主登場!
このような状況下では、電機メーカーがこぞって化学物質(VOC)をも吸着する空気清浄機を出していますが、使用すれば当然電気代はかかります。これは、24時間換気システムもしかりです。
みなさん、朗報なのですが、約5000年前から使用されている住宅建材に『漆喰(しっくい)』というものがあります。
この漆喰は、石灰岩が原料で特徴として強アルカリ性の性質があります。
強アルカリ性は、PH値が12以上を指すのですが、微生物やウィルスはこの環境下では生きていけないんです。
しかもこの漆喰は、粘土状になったものを壁や天井に塗りたくると、二酸化炭素:CO₂と化学反応を起こして堅牢な壁や天井になっていくんですね。
しかも、この漆喰はシックハウス症候群のもとになる化学物質(VOC:Volatile Organic Compounds)を揮発しないことに加え、トルエンやキシレンなどの化学物質(VOC)を吸着分解するとのこと。
つまり、24時間換気システムや空気清浄機に頼らず生活できるということなんです。
すごくないですか?まさに、住宅環境の救世主ですね。
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この記事を書いた人
株式会社ビリーフハウス
広報 花島